starressのブログ

日々の、出来事を何となく綴りたいと思います。

小室くんの涙 とシャウト


もう約40年前の話になるが


佐由美を振った細貝が裕子に

振られてフリーになり彼女を

探していた。

知り合いの紹介で、女性2人組と

会う事になり、彼女が居ない小室くん

と細貝と俺と何故か3人で

会う事になった。

話の間が持たないから、と言う

事で付き合わされたが....


とある喫茶店で待ち合わせた。

やって来た2人組は美晴と英里と言った。

一戸建てのアパートに2人で

住んでいて、

高校からの同級生で

幼なじみだと言う。

美晴はちょっとだけ太めで

髪を、ろくよんに分けていた。

屈託なく話し、明るい感じの

印象だった。

英里は少し色黒で切れ長の目を

していて静かな大人しそうな

感じだった。

細くて対照的な2人だった。



他愛のない話しをしながら、

流れで彼女らのアパートに

行く事になった。

美晴は細貝の事が気に行った様子で

じっと見ていた。

話しも弾んでいる感じで、

いい雰囲気じゃないの~と思った。

俺はこの時付き合ってる彼女も

いたので、ただの人数合わせの

付き合いなので、英里と小室くん

の仲を取り持つ形に運んだのだが、

小室くんは相づちを打つだけで、

会話が弾まなかった...


その後何度か、細貝と小室くんは

英里と、美晴と会ったりしていた。



俺と美晴、英里は同じ会社

だったので、顔を合わせる機会も

出来て、趣味の音楽の話なんかした。


その頃ティアーズ フォー フィアーズ

のシャウトか流行っていて、美晴

がアルバムあるから、聴きに来て

と言われて、会社の帰りに

ノコノコ行ってしまった。

美晴とシャウトの話しで盛り上がってしまい、英里を置き去りにする

形になり、英里が怒ってしまった。


『2人だけで話ししないで!』


雰囲気が悪くなり、


英里は自分の部屋に閉じ籠って

しまった....


美晴は


『英里は冷たいし、気性が荒いから

付き合うなら、覚悟が必要よ!』


と言い放った。


『...........』返す言葉が無かった。



反対側の英里の部屋をノックして


『入るよ~』


と言って中に入ったら


『あたしの事だけ見て!

美晴と話ししないで!』


と言われて


『彼女とは音楽の話だけで

それ以外なにもないよ』


『ほんとにそうなの?』


別に付き合っている訳でも

ないのに、こんな些細な事で

怒られて、何だろう....これは?

と、感じた。


『あたしが居るんだから、

美晴と仲良くしないでよね』


と、念を押されて、


『分かったよ』と答えて


『帰るね~』と部屋を出た。


英里は見送りに来なかった。


美晴は


『ああ言う女よ、心しなさいよ』


と、とてもルームメイトとは思えない

言葉だった。


ティアーズフォーフィアーズの

アルバム借りてたので、ある日の夕方返しに行ったら、美晴は留守で

英里だけだった。


英里の部屋でコーヒー飲んで

2人きりの、時間が過ぎて

会話が楽しかった...

英里の恥ずかしそうに笑う

笑顔を、可愛く感じていた。

食器の片付けを、手伝いながら

手が触れて、時間が止まった。


英里がゴクンと息を飲む音が聞こえた。

思わずその細い肩を抱き締めて

英里も俺の背中に手を回して

強く抱き締め合った.....


『美晴と私、どっちが好き?』

と囁かれ


『英里だよ』


と答えて耳や首筋にキスをした。


そして唇を奪おうかと思ったら

美晴の言葉を思い出した....


『英里は冷たくて、気性が荒いから

付き合うには覚悟が必要よ』


そんなに話してはいないが、

自己中的な雰囲気は感じていた。


俺にはこの子は無理だ、

深入りは止めようと思った矢先に


『あなたに彼女がいなかったら

どんなにいいか....』

『彼女と別れて!』


と言われて、


『ごめんな....』


と言ったら


美晴が帰宅して、全てが中断した。


2人のよそよそしい雰囲気を

察知して、激怒した。


『英里に何をしたの!』


『いや、何もしてないよ』


『そんな訳ない、英里?大丈夫?』


英里は黙ってしまった...


『もう帰って!』


と言われて家を出た。


英里は何も言わず終始下を見ていた。




小室くんは英里の事が、好きになり


俺が英里と終わったのなら、

アタックしても、良いよな?

と言うので、

いいと、思うよと言った。


『お前、英里とは何も

なかったんだよな?』


『うん、軽く抱き締めただけだよ』


『本当に何もないんだな?』


『うん、キスもしてないから』


『良かった..』


小室は心から、安堵していた...


そんなに好きになってたんだな...


そして行きたくなかったが、細貝の

車に無理やり乗せられて、彼女らの

アパートに行った。

俺は1人ポツンと立っていた。

英里とは話しは一切しなかった....


細貝は小室が英里にアタックすると

言ってたのに、何故か英里と話が

盛り上がり、どちらもご機嫌な

感じだった。

美晴はそんな中に入る事が出来ずに

呆然としていて、しかし

視線は細貝に熱く向けられていた。


小室が間に割って話をしようとしても

英里に冷たい視線を向けられて

心が折れてしまい、俺の所に

戻るなり、その場で

泣き崩れてしまった。


『俺がどんなに話しかけても

楽しそうにしなかったのに、

細貝だとあんな顔をするんだな....』


『俺は自分が情けないよ.....』


『俺はどうしていいか、

分からなくなった』


『俺って全然駄目なんだな...』


『小室、そんな事ないって.....』


下を向いて肩を震わせて

涙をボロボロこぼし

泣いてる姿のその先で、

事情を知ってる細貝が、

豪快に笑いながら英里と盛り上がって

いる。


それを無言で美晴が、眺めていた。


これは.....まずいな..と思い


『ちょっと細貝!』と呼び止めた。



しかし、その言葉は無視されて

英里も、楽しそうに笑っていた。


『細貝!』


ようやく小室が、泣いてるのに

気付き一言


『いや~わりいわりい!』だった。


それでも小室は、一縷の望みを

かけて、英里に歩み寄って

少し話しをしていた様だった....


完全な負け戦なのたが、やはり

恋の力なんだろうな.....

泣き腫らした後に、最後に

思いを告げに行く姿は、

見事だったよ。


美晴は細貝としばらく話した後に、

手紙を渡していた。

美晴はしっかりした、感じで

嫁さんにするなら、良いのだろう

と、思っていたが、

細貝はちょっと太めの美晴に

気はなかった。

手紙は後で1人で見てくださいと

言われていて、

見てここに来なくなるなら.....

見ないで捨ててくださいと、

表に切々と書かれてたのだが、

美晴の思いは届かず、

2人のアパートに行く

事は2度となかった。



英里の冷たい性格だとしても

付き合いたいと

言っていた小室の思いは結局...

届かなかった。


数年後、ラガーマンみたいな

ゴツイ男と仲良く歩いている

美晴を見かけた。

結婚している感じだった。

一瞬俺を見たが、眼中にないわ

みたいな雰囲気で踵を返した。


おめでとう、良かったじゃん!

心で呟いた。


小室は同僚の娘と付き合い始めて、

やがて結婚した。

スタイルが良くて、可愛い娘で

俺が彼女にしたい位だった(笑)


あの泣き腫らした小室は

そこに居なかった。


細貝はあれを最期に、女性とは

何故か縁が無くなった......。

あれほどモテモテだったのに...

何でだろう?

未だに1人だ.....


細い女じゃなきゃやだ!とか

言ってないで、美晴と付き合ってれば

良かったのに....

とあの時、勧めたのだが.....


松任谷由実の5センチ向こう側?向こう岸?

題名忘れたけど、


歌詞に


若い頃には、人目が大事よ

もっと大事なやさしさを失くしても

気づかない事もある.....


と言う歌詞に心引かれたなあ.....


確かにその通りの自分がいたからなあ......




シャウト 歌詞


Shout, shout, let it all out

These are the things I can do without

Come on

I’m talking to you, come on


叫べ、叫べ、すべて吐き出せ

そんなものはなくなったって大丈夫

さあ

君に言ってるんだ、さあ


In violent times, you shouldn’t have to sell your soul

In black and white, they really, really ought to know

Those one-track minds that took you for a working boy

Kiss them goodbye, you shouldn’t have to jump for joy

You shouldn’t have to jump for joy


たとえ厳しい時でも

君は魂を売るべきじゃないんだ

黒か白か

彼らは本当のことを知るべきなんだ

頭の固いヤツらは

君をただの労働力としか思っていない

そんなヤツらとは おさらばするんだ

楽しむために無理しなくてもいいんだ


[Hook]


[Verse 2]

They gave you life and in return, you gave them hell

As cold as ice, I hope we live to tell the tale

I hope we live to tell the tale


彼らは君を生かし

そのお返しに

君は彼らをひどい目に遭わせた

氷のように冷酷に

僕らは何とか生き延びて

本当のことを伝えたい