starressのブログ

日々の、出来事を何となく綴りたいと思います。

スピリットパーソナリティー⑩

睦美の中にいる人格は

美千代

由麻 と 水咲

アタル

みっちゃん

とーくん

と、本人が消滅して7人いる....


弘は警察に捕まってから、お金を

手に入れられなくなり、多少は

援助する事にしたが、自分達の

生活もあるので、まとまった額は

助ける事は出来なかった。


昔から付き合いのある、

おじさんにも、援助して貰って

もいる。

元、公務員で知識もあり毎回彼女の

アドバイザー的な役割りや生活面でも

力になってあげている。

もちろんセックスが目的だけど

彼はアナルが好きで困ると、睦美に

化けた弘が言っていた。


ネットで一緒に食事だけ、

と言うのが募集にあり、とある男性

と行く事になったらしい。

そして、食事のお礼が

貰えるそうだ。


俺からすればただ飯食うのに、

何でお礼を払うのか?と

馬鹿馬鹿しく感じた....


しかも行きたくもないのに、

無理やり付き合わされてその彼の

斜め前に、

座る羽目になった。



その彼は当然ながら、緊張していた。

メガネをかけて髪も清潔感があり

40代くらいの独身者の様な

面持ちだった。

ハンバーグ定食みたいなのを、頼んで

いたが、

あまり会話も弾んでいる様子では

無かった。

そりゃそうだ、斜め前に一人でコーヒー

飲んでるおじさんがいるのだから。

彼はチラリとこちらを見る。

俺は知らない振りをしているが、

その間に、睦美に成り済ました

弘から、メールが来る。


『会話がつまらない、早く帰りたい』


『相手はご飯奢ってしかもお礼も

くれるんだから、

笑顔で対応してあげなきゃ

可哀想だろう?』


『早く貴方とエッチしたいよ~』


そんなメールやり取りしてりゃ

彼だっておかしいと思うだろうに...


そのまま、1時間近く経過したの

だろう....


彼は食事からホテルに行く

計画だったのか分からないが

彼は逃げる様に、立ち去った...

はあ~弘はわざと分かる様に仕向けたな...

俺はまんまと利用された訳だ...。



睦美と、言うの名前の中の弘は、

名前を変えてネットでまた

援助を募り、物資やお金を善意ある

人達に送らせていた。


心はどんどん荒んで、感謝もしない

物資を貰っても、こんなの要らない‼️

と気にいらないとゴミに捨てていた。


『弘、お前また人の善意を踏み

にじるのか?』


『おい!水咲はいるか?

出てこいよ』


水咲は心が真っ直ぐで、この人格の

中では、とにかく一生懸命に行動する

20代設定の女の子だ。

良く弘の悪行を非難している。


たから水咲から、弘に言い聞かせて

欲しかった。


しかし.....


弘は言った


『水咲は今、寝ているから呼んでも

出て来ないよ』


さらりと言った。


『由麻は?由麻?出てこいよ』


『由麻も、寝ているみたいだよ~』


そして出て来たのは、

5歳?のみっちゃんで、


『遊んでいたから、分からない』


と言った。


『誰と遊んでいたのかな?

みっちゃん?』


と、聞いたらこう答えた。


『イリアちゃんが遊んでくれるよ』


『イリアちゃん?』


『でもすぐに怒るから、こわいの』


と、言って出てこなくなった。


俺は弘に説教できなくなっていた。

何故なら、すぐに精神崩壊をきたし

リストカットして、落ち着かなくなる

からだ。

思い込みも強く、当然うつ病でもあると

思う。

精神科にも付き合って、薬を処方してもらったり、医師とも話もした。

精神科医は、弘が望む強い薬は

出せないと、拒否した。

なので、弘はイライラして気持ちが

落ち着かなくなるみたいだ。

そして、ここの精神科医とは合わないと

病院を変えたりして、強い薬を出して

くれる所を探していたが、

当たり前だが結局どこも同じだった。

ハッキリ言って、多重人格やうつ病

心の病には、根気強い理解が必要だ。

第三者が出来る事は、話を聞いて

心を落ち着かせるくらいしかないと思う。



弘へ聞いた。


『みっちゃんが言ってた、

イリアって誰だ?しってるか?』


『新しく生まれた人格なのか?』


『ああ、奥にいるみたいで静かに

しているよ』


『俺もよくわからんよ』


『あ!そうだアタルに聞こう、

アタル出てこいよ』


弘が言った。


『アタルも寝ているよ。』


『ふ~ん、そうなんだ』


大体いつも、弘しか出ないから

特に気にはしなかった俺だ。


そして1ヶ月近く経過していた。


みっちゃんが、突然出てきた。


『イリアちゃんが怒るから、怖いよう』


そしてとーくんが久しぶりに出て


『僕も突然叩かれたよ』

『何だよあいつ!』


『お~い弘、イリアって今まで全然

出て来ないんだけど、子どもたちを

いじめているみたいなんだけど、何か

言ってやれよ‼️』


そして弘が言った。


『中から出て来ないし、いくら呼んでも返事がないんだよ.....』


今までにない、外に出て来ない人格

が生まれた様だった。


ある日気分転換に、横浜の山下公園に

行った。

天気も良く、薔薇が咲き乱れていた。


『綺麗な花だな~これは

何て名前の花なんだろうな?』


と言ったら


『花なんて興味もないし、

                咲いてるから何なの?』


『名前なんて、どうでもいいし

ごちゃごちゃうるさいんだよ』


『それより、俺は疲れたし、休みたいんだよ、

花なんて下らない話なんて

聞きたくもないし、何で人だらけで

何処にも座る所がないんだよ!』


『ああ......待ってろ、座る所探すから

あっちに行ってみよう』


『ベンチなんて何処にも

無いじゃないか』

『ほんとだな、みんな埋まってしまってる、

           困ったな』


『どうするんだよ、もう立ってられないよ!早く何とかしろよ』


『じゃあ、芝生に座ろうか』


『あそこは虫が出るから嫌なんだよ!』


口を開けば不平不満ばかり言い、

優しさの欠片もない。



さすがに俺も、もう我慢の限界だった。


『だったら!もう好きにしろよ!

冗談じゃない、もうお前には

付き合い切れない!

いい加減にしろよな!』


『勝手にしろ!もう俺はお前とは

会わない❗️サヨナラだ。』



山下公園の日差しの良い公園の中で

俺は叫んでいた。

回りは騒然として、俺たちを見つめていた。


俺はマジでぶちギレて、怒りで

その場を立ち去った。


泣きながら弘が追いかけて来た。


だが俺は許す気持ちなど、もう

なかった。

一刻も、早くこの場を立ち去り

手を切りたかった。



しかし.............

このまま逃げ帰ったら

無一文の弘は帰る術がなくなり

恐らくまた、仕事をする事になるのが

目に見えていた。


怒りを飲み込み、弘の元へ引き返し

ぐしやグシャグシャに泣いている

弘へ言った。


『おい、帰りの電車代やるから

これで帰れるよな。』


『嫌だよう!ごめんよう、一緒に

帰るよ』



お金を、渡そうとしたら芝生の上で

弘は崩れ落ちた。




そしてムクッと起き上がり、表情が

一変した。


出て来たのはアタルだった。



『色々迷惑を、かけたみたいで

済まなかったな、

弘は今押さえ込んだよ』


『なんだ?アタルなのか?』


『ああ、今まで俺たちは弘に押さえ込まれていたんだよ。』


『今弘の心が弱くなってきたから

チャンスだったよ。』


『弘がお前を独占したくて、俺たち全員を出られなくしていたんだよ。』


『睦美本人が消えたのも、弘が睦美を

乗っ取ったからだ。』


『睦美は飲み込まれて弘に上書きされてしまったから、もう昔の記憶もない。』


『俺を独占?そんな事したって仕方ない

んじゃないか?体は一つなんだし』


『そうなんだが、性格も横暴になり

力がついて、

今度は俺たちを飲み込もうとした。』


『だから、俺たちは今度は弘の力を

少しづつ弱めて行ったんだ』


『どうやって?』


『俺たちはイリアと言う人格の中に

弘の怒りやパワーを少しづつ吸いとって

貰っていたんだよ。』


『そして今弘の力が消えかかったから

押さえ込んだんだよ。』


『今は首根っこを掴んでる状態だよ、』


顔がにこやかになり


『こんにちは、やっと出て来れた

私が分かる?』


『水咲か』『あったり~』


そして次々とみんな出て来たのだった。


『これから弘はどうするんだ?』と

聞いたら....


アタルが『完全に消えた別けではないが

もう出て来る事はないだろうな』


『さっきので、終わりなのか?』


『ああ、もう2度と出て来ないよ』


『たから別れるなんて、

言わないよ な?』


と念を押された。


争っていた弘ではなくなり、違う人格たちが

にこやかに出て来たので、

既に言葉を失って、

別れたいと言えなくなっていた。


こうして、

アタル達をも押さえ込んでいた

弘は消滅したのだった。


そして別れると言ってから、

弘は押さえ込まれ

他のメンバーが全員出て来た。

芝居をして、都合良く出て来たとも言える....

でも、そうじゃないのかもしれない。


『これから主人格は誰になるんだ?

水咲にすればいいんじゃないの?』


と言ったら、


『そうねえ』と言ったまま流されたが、

他に適役が居ないらしく

結局水咲が主人格になるのだった。