starressのブログ

日々の、出来事を何となく綴りたいと思います。

スピリットパーソナリティー⑬

睦美の中にいる人格は


美千代

由麻 と 水咲

アタル

みっちゃん

とーくん

イリア

裕貴

猫の りん

と、本人と弘が消滅して9人。


前から目がおかしいと、眼科に付き合っていたが

いつしか外の明るさに目がついて行けなくなったらしい。


日中の外出が億劫になり、出かけると目眩が襲いいつの日か、遠出が難しくなっていた。




しかも彼女は糖尿病で毎日インスリンを打たなければならない身体でもあった。


おまけに、大量の安定剤の薬、不眠症の薬


不摂生な生活に偏った食事の毎日。



出かけると言えば近所のコンビニに弁当買いに行くくらいになり、

当然俺のマンション付近には近よりもしなかった。

弘が消えてから角が取れた性格になり、

狂暴だったイリアを抑え込んで、

人の首を絞めたりしていた頃が

嘘みたいな穏やかな人格になった。


そして裕貴が主人格になり実に落ち着いた

日々が続いていたが、同じアパートの

住人とのトラブルから、メンタルが

やられて体調に異変を感じる様になり

吐いたり下痢をしたり、辛い日が増えていた。



ある日、昔からの支援者の座間さん


と睦美の部屋で、会うことになった。


睦美が初めてアパート借りたので、見学を


兼ねてと言うのと、既にこのアパートで


住人ストレスで住むのも耐えられなくなって


しまった事について、どうしようか?


と言う事だった。



俺は睦美の部屋で座間さんを、待っていた。


既に睦美とは3年くらいの月日が、流れていた。


しかし座間さんは約6年前から付き合いらしい。


事ある毎に、お金を支援してくれたり、足りない


物資を購入してくれたりしていた。


俺は大した事は何もしてないが、座間さんは


まるで親の様でもあった。


睦美の他にも、何人か女性が居るらしく


金銭的に余裕のある元公務員だ。



コンコンとドアをノックする音がして、


睦美の姿の裕貴が、睦美の声色を使って


対応した。


付き合いは長いが、多重人格と言う事は


ずっと伏せているのだった。



スーツ姿の60代半ばと思われる風貌だった。


『初めまして座間さん、いつも睦美が


お世話になっています。』と挨拶した。


まあ、アナル好きの座間さんとは


兄弟になる訳だ。


『こちらこそ、よろしくお願いいたします』


と神妙に挨拶を返された。


睦美の顔した裕貴はちょっと照れ笑いを

していた。


元公務員の座間さんは、基本的には

引っ越しは無理だと言う事を、ハッキリ

言った。

火事で消失とか、事件か何かに巻き込まれた

とか、必要に迫られる理由がなければ

引っ越しなど出来ないのだと。

睦美のアパートを1度見たいと言う理由で、

座間さんが訪問しに来たので、俺にも

会わせたかったのであろう。

普通に話しはしていたが、どちらもぎこちなくて、楽しそうにしていたのは睦美だったな。

座間さんに3P しようと言われなくて良かったよ(笑)

座間さんに会ったのはそれが、最初で最後だったね。


睦美がちょっと元気だった頃にはタクシーの

運転手、ナタリーと言う名前のオカマさん

から、嵐の様にメールが来ていた。

内容はフィストの相手をして欲しいと言う

事だった。

睦美は毎回無視していたが、耐えきれずに

メールに返信すると、

『やっと出てくれたのね!お願い早く来て!

『身体がウズいて仕方ないのよ~』

と言う内容だった。

ナタリーさんは齢70歳の角刈りのこわもて風の

タクシードライバーで、一見オカマには見えないらしい。

しかし、自宅には何百枚ものエロDVDと女装の

為の下着とメイク道具とウィッグに覆われた

異様な光景の部屋なのだと言う。



そこで睦美はゴム手袋をはめてナタリーさんの

アナルにフィストするのだと言う、

驚いた、そんな世界もあるんだなあ...と。

しかし、フィストは思いの外体力を使うらしく

割に合わないと、毎回拒否しては根負けして

相手してるのだと言う。

更に恐ろしい事に、ナタリーさんのマンションは俺のマンションから歩いて数分の所だった。

タクシードライバーだけに、何度か俺と睦美が歩いている所を見かけて、

『あの子の○○コ食べたいから連れて来てよ~』とそれも

しつこく懇願されていたらしいが、

睦美は『それだけは駄目』と断ってくれたらしい。

無論俺も行く気はないし、フィストなんて

世界も知らなくていいよ(笑)



そしてある日、彼女は嘔吐と下痢を


繰り返し、体力が限界になり自ら救急車を呼んで入院した。


数日すると退院して、アパートに戻って来たが、しばらくするとまた住人ストレスの為に、体調を崩して、また救急車で病院へと運ばれる事が増えて、


病院、アパートの入退院の繰り返しとなった。


この頃俺は自分の家族の事や、職場移動を理由に彼女のアパートには余り通わなくなっていた。


住まいはすぐ側なのだが、2人の距離は


遠くなってきていた。




しかし、裕貴は落ち着いて


『家族いるもんな、』とあっさりと....


理解してくれていた。




すかさずりんが現れて


『お前の家族にゃな、仕方ないにゃな~』


するとみっちゃんが、出てきて




『かぞくはみっちゃんがパパで、美千代


ママじゃないの?』




『なんでパパは他にかぞくがいるの?』



『.........』答えられない自分がいた。




『パパへんなの!』




とみっちゃんは素直に納得してない様子だった。




『困らせてすまんな、みっちゃんはこどもだからな』


と裕貴は他人事の様に語った。




俺とは所詮これ以上でも、これ以下でも無いと


自覚している様だったが、別れるのは別だと


思っているのは伝わっていた。




時折、訪れるケースワーカーさんに


ストレスの話しをして、転居したいと何度も


告げたが、難しいと言われ続けて、


心身共に、疲弊しきっていた。


そしてある日救急車で運ばれて

そのまま精神科に、入院となった。


電話で


『アパートには居ないから来ても仕方ないよ』


と、告げられた。


『そうか、しっかり治さないとな..』


『うん....でもあそこには、もう帰りたくない』


既に、心身共に限界だったのだ。