starressのブログ

日々の、出来事を何となく綴りたいと思います。

スピリッツパーソナリティー⑫

睦美の中にいる人格は...


美千代

由麻 と 水咲

アタル

みっちゃん

とーくん

イリア

裕貴


と、本人と弘が消滅して8人。


『おはようにゃ』

と、ニャーニャー言葉を話し始めた奴がいた。

『今日はいい天気にゃな、こんな日は

丸くなって日向ぼっこしたいにゃな~』

と猫になりきった人格が現れた。





『お前は猫か?』と聞いたら


『ねこにゃな~』と答えた。


『名前はなんて言うんだ?』


『りんにゃ』


『りんと言うのか?』


.『そうにゃ』


『猫だから、サンマが食べたいにゃな』


と、駅のホームで、いきなり生まれた


人格だった。


あとくれよんしんちゃんみたいな

言葉で話すとーくんは、オオカミの

人格らしい。


なので、動物人格は二匹になった。


今後、裕貴の人格が落ち込んだり


暗くなったら、良く現れる事になる


のが、りんだった。


さて福祉課に何度も通い、ケースワーカー


さんが、睦美の兄や父親と


話をして、ネグレクトと認めた上で


生活保護申請と共に、新居を


探す事となった。


恐ろしい事に、条件にあった物件が


俺のマンションのすぐ近くにあった。


その距離300メートル位かな。





他の所も勧めたが、条件が合わず


結局、俺のすぐ側に住む事になって


しまっていた。


裕貴は俺のすぐ側に住める!と


喜んでいたが、俺は内心ヒヤヒヤ


だった。


睦美の暮らしが保障されたら

フェードアウトしようと感じていたから


これは衝撃的だった。


それを察してか


『これで俺から離れるつもりじゃ無いだろうな?』


と言われて、図星だったがそんな事はないよ』


とその場を、取り繕った。


ケースワーカーさんには

本当にお世話になった。

それが仕事とはいえ、睦美の身体の

為に、親身になって話を聞いてくれて

何度も、何度も、話を聞いてくれた。

そして、生活保護での保障が約束されて、新生活がスタートする事になったのだから...



かくして新しいアパートに転居して

新生活の為に渡されたお金を使って

冷蔵庫、洗濯機、テレビを購入。

薔薇色の新生活が始まるはずだったのだが....


睦美の部屋は2階で下の階と合わせると

4部屋の住人からなるアパートだった。

睦美以外は男性からなる住まいだった。

狭いがベランダもあり、洗濯物は外に

干せる環境だった。

それがこの場所に決めた条件でもあった。

やっと念願の一人暮らしが始まり、

黒い電子レンジがお気に入りだった。

横長の1Kの部屋で、布団を敷くと歩く場所

が限られてしまい、整理整頓が苦手な

睦美の布団の回りはいつしか散らかっていた。

風呂付き、トイレと一体化したユニットバス

で、ここも狭くて使いづらい。

しかしネグレクト親子から解放されて

誰にも邪魔されない一人暮らしで、

安堵の様子だった。

ただ不満はセックスで大声が出せない事で

いつも、口を手で押さえてケイレンしていた。


ある日すぐ下の住人からクレームが来た。

腹が出て太っていて、無精髭を生やし

彼女の部屋をノックして来た。

内容は床の音がうるさいから、何とか

して欲しいとの事だった。

睦美の中の裕貴は気を使い生活していたが、ある日また部屋をノックされて

今度は、

『おい、俺は前科があるから

怒ると何するか分からないからな、

うるさいから静かにしろよな!』

と言われたらしい。

仕事してる様子もなく、ずっと家にいる

印象だった。

なので、睦美と同じく生活保護を受けてる

住人なんだなと感じた。

いつも家にばかりいるから、些細な音も

気になるんだな...と、納得したよ。


それで睦美の中の裕貴は動揺して

神経質になり、リストカットを

また始めてしまった。

俺はその住人と鉢合わせになり、



『あ~彼女がお宅に、ご迷惑をかけたそうで、すみませんでした。』


『一応彼女なりに、気遣いしてますが、もし何かありましたら、言って下さいね』


そしたら、急に笑顔になり


『分かってくれりゃ良いんだよ』


『まあ、俺は寛大だからな』


とわざわざ自分を前科者と名乗る

奴は普通居ないし、逆に隠したい物だと

感じるので、嘘だな....と確信した。


それからはクレームは来なくなった様だった..


しかし裕貴は気を使い、下に震動が行かない様

にエアーベッドを通販で購入していた。

膨らますと高さもあり部屋が狭く感じる様になったのだ。

下の自称、前科者に気を使い常に抜き足差し足で

部屋を歩かなければいけなくなった。



その一階の住人の向かいの部屋の

住人とも話しをした。

睦美の中の裕貴は、しつこく話しかけてくるから嫌なんだよ‼️と言っていた。


何でも病気でしばらく仕事を休んでた

らしく、バイトを少しやってたらしいが、長続きしないようだった。


『体調崩して休んでたんだよ~』とか


『寝込んでた』とか


また、再開したと思ったら


『職場で怪我してしまって』とか


なかなか仕事が進まない様だった。



指に大きな包帯が巻かれていて、

何でもバイト?の仕事先でドアに指を挟んでしまい骨折したのだそうだ。

何事も上手く行かなくて可哀想な印象だった。

意欲はあるのだろうが、いつも空回りして

体調崩して、回りから疎まれているんだろう

な....そんな感じだった。

人は悪くはなさそうな感じなんだけどね...


仕組みは良く分からないが、この人も

生活保護か何らかの受給は受けているんだろう

な.....と思った。


この2人は下でいつもうろうろして

タバコ吸って、あーでもないと

話しを、している様だった。

なので、買い物に行こうと裕貴が

下に行くと、いつも居るので

ストレスになっていた。

俺が睦美の中の美千代とセックスした

後の、帰りに下にたむろしている2人が

ニヤニヤしながら、俺を見ているから、

わざとにこやかに世間話をしてから、2人から

通り過ぎる日も、多かった。


そして、2階の睦美の部屋の向かいの住人は、1度も見た事がなかったが

こいつは、なんとドアの郵便ポスト

差し込み口を開けて中を覗き込んで

いたらしい。


『あそこ開ける音がしたんだよ』


部屋から出ないみたいで、夜中に行動するらしい。



見たら向こうから目が見えたとの事で、

恐怖で、裕貴は震え上がったらしい。

下から来る音がしないから隣の住人だと思われるが、確信が無いために言いに行く訳にも行かない。

逆に怖いからそれは止めて欲しいと言われた。

越して来たら、まさかこんな目に遭うなんて

思いもしなかっただろう....。

何度が泊まって、様子を見る事にしたが、

俺が泊まる日にポストをめくられる事は

なかった。

やられたら一気に飛び出して現場を押さえるつもりだったが、その機会は訪れなかった。

裕貴は我慢の限界でポストを内側からガムテープで貼り付けて、外から開けられない様にした。

おかげで郵便物は横の窓際の1角に置かれたりしていた。

これもかなりのストレスだっただろう....


ネグレクトの親から離れて、憧れの新居を手にいれたと思ったら、住人とのストレスと原因不明の目眩や視覚の異常で、

精神状態は普通ではなくなっていた。

ストレスによる嘔吐や、発熱や目眩。

一緒に何度も精神科に行ったが、

これ以上強い薬は出せないと、言われ

裕貴やりんが、出てカウンセリングを受けていた。

これ以上症状が続く様なら入院も考えてと

言われていた。


彼女の生活保護の手助けをして、自立出来る様にはした。

俺の役目はもう終わったな....と前から感じてはいたが、そう簡単に切れるもんではなかった。


彼女の精神科へ何度も付き合ってそこの女医とも一緒に話を聞いていた。

ある日俺だけ残されて話をした。

女医からは、


『貴方は早く彼女と離れるべきだ』


と忠告されていた。

1度自殺未遂したんで、自分が原因で

死なれるのも困るので、慎重になっています....と告げた。


『でも貴方は住む世界が、違う。』


なるべく早く彼女とは離れるべきです。

と、忠告してくれた。




数か月もすると、生活保護だけのお金では

ルーズな生活スタイルは維持出来ずに

また、出会い系で小遣いを稼ぐ様になっていた。

部屋に入れたりしていたので、

『大丈夫か?』とさすがに心配したよ。

ここで事件でも起こされたらたまった物では

ないからね。

まあ、それでも彼氏でも出来れば、そいつに

任せておれは祝福するつもりでもいたのだが....

支配的な輩が多くて、みんなお断りしていた。


『別に他にも彼作っても、いいからな~』


と言ってるのにみんな断ってしまっていた。

中にはしつこく言い寄って来る奴もいて、

恐怖を感じる事も、増えていた。


『すぐ側に車で待ってるから、直ぐに来い』

とか言われて....


『恐くて外に出れない』


と睦美に化けた裕貴が怯えていたりした。

結局俺以外の男には壁を張り巡らせて、

全て拒否していた。

セックスするのも多分睦美に化けた裕貴で

濡れないし、

感じないし逝かないし、痛いだけと言っていた。


由麻と、水咲と、美千代は俺と一緒の時しか

現れず、美千代は俺とのセックス専門の人格だったから、いつもすぐに乱れて、ケイレンして

根元を締め付けてくれた。



結局多重人格である事をさらけ出せる

俺とか、精神科の女医にしか、心を

開けないので、他に男を作るのは

考えられないと睦美の中の人格、裕貴は

お気に入りのミルクティーを飲みながら

嬉しそうに語っていた.....


しかし住人ストレスはどんどん悪化して

嘔吐と、下痢は体力を奪い救急車で

運ばれる事態となっていた。