starressのブログ

日々の、出来事を何となく綴りたいと思います。

スプリットパーソナリティー①とハートアタック

ある女性と会う約束をした。


年齢は30代後半、腕には包帯を巻き

明らかにリストカットの跡だった。

そんな彼女の精神状態を理解した

上で、逢う事にした。

何故なら、彼女の心の闇を理解

出来ると、思っていたからだ。


思えば、何故か家出少女とばかり

関わり合い、辛い気持ちや、涙を

たくさん見てきた。

母親の不倫などで、家を飛び出したり

した件や、

、男と逃避行の末に窃盗、逮捕、

妊娠、中絶、の件。

俺に恋してくれた同僚の娘が、

無断欠勤の末、

捜索願を出され、他県で男と

発見された件。

友人の家出少女をかくまって話を

聞いたり、色んな涙を見てきた。

だから、その彼女の気持ちも

分かる気がした。


お茶を、飲みながら彼女は話を

始めた.....


『私は中学の頃に近所の男の家に

無理矢理連れて行かれ強姦されたの』


『でも親は、行ったお前が、悪いと

私が怒られて、事件にならなかった』


『そして妊娠、中絶させられたの』


『その男は咎められる事も、

なかったわ』

『どんなに泣いて訴えても、誰も


信用してくれなかったんだ、、』


『みんな、私が悪い事になっていたの』


『ショックで、人が信用

出来なくなって家に

閉じこもったわ』


『お母さんも、私を、信用しなかった


お前が悪いと、言われた.....』


『バイトで稼いだお金も、勝手に

前借りされて、使い込まれていたわ』


『返せと、言っても返して

くれなかった』


『だから、他の子の財布から

お金を盗んだのよ....』




30代後半にしては、言葉使いが

幼い感じで、人懐っこい感じだった。

名前を、睦美と言った。






睦美と付き合い始めて、毎回ホテルで

セックスをしまくった。

敏感な身体を何度も痙攣させて感じやすい

体質だった。

逝きながら顔の表情が変わった。

眉間にシワがより目付きが鋭くなった。

明らかに別人の顔だ。

その、瞬間を俺は今でも忘れない....


『俺の名前は弘だ』と言った。




『私の秘密を、教えてあげる


私は多重人格なのよ』


『今は中に居るけど、慣れて来たら


そのうち出てくるわ』と言っていた。


そして、出てきた。


『よお、初めまして~よろしくな』


『なんだよ、裸じゃないか、くそ


よりによってこんな時に.....』


『そっか睦美とやってたのか


ご苦労なこったな(笑)』


攻撃的で、生意気な口調だった。


こいつに殴られるんじゃないかと


本気で思った。


『ああ、よろしくな弘.....』


平静を、装ったが流石にこの

表情の、変化には驚いた。

ゆっくりと、眉間にシワが寄り

目付きが鋭くなる様は、人格の

入れ替わりの瞬間で、幼い睦美が

男の弘に変わったのだった。

それはまるで、神経が尖ったナイフみたいに変わった感じだった....。


『俺が主人格だ、俺が中心で睦美を

支配している、

他にも何人か居るが、まだ

恥ずかしくて、出て来ないな(笑)』


『邪魔して悪かったな、

続きして いいぜ』


と言って弘は消えた。


あどけない顔の睦美が戻った。


『今のが弘か?』


『え?出てきたの?』


『知らないのか?』


『弘が出ている間は私は何が

起きてるか知らないの?』


『何を話しているかも知らないわ』


『眠っているの。だから知らない』


これは驚いた....そうなんだ.....


『そうか、じゃまた始めるか』


激しく乱れた睦美と、ホテルを出た。


すると、弘に変わりこう言った。


『お前、俺が怖くないのか?』


『いや、別に、怖くないよ』


『辛すぎて耐えられないから、

お前が生まれたんだろ?』


『睦美の、ままだと気持ちが壊れて

しまうから、お前がいるんだろ?』


『お前が、睦美を助けているんだろ?』


『だから、怖くないさ』


『お前は信用出来る奴だな...』


と、弘に認められた瞬間だった。


これから、彼女との付き合いが始まった。



Demi Lovato - Heart Attack (Official Video)


この頃流れてた曲

デミロヴァート ハートアタック