starressのブログ

日々の、出来事を何となく綴りたいと思います。

スプリットパーソナリティー⑧

睦美の中にいる人格は

美千代

由麻 と 水咲

アタル

みっちゃん

とーくん

と、本人が消滅して7人いる....


名前の本人、睦美が消滅して


今は弘が、完璧な主人格になった様だ。


弘はネットの住人に、


生活が苦しく大変だと


訴えて、お金を送金させていた。


そして、お金を受け取ると


後は一切連絡を取らなくなり


善意を仇で返していた。



父親も、兄も仕事で帰らないからと


初めて睦美のアパートに、招かれた。


2階建ての築30年近く経過してるで


あろう古い作りで、階段は急で錆びた


鉄製で暗い感じがしていた。


2階の奥の部屋が、睦美たちの住まいだ。


シリンダーキーでガチャガチャと回して


玄関が空いた。


玄関は多数の靴が置いてあり、


脱ぐ場所に躊躇した。


中は六畳はあろうかと言う台所で、


床は冷たいカーペットが敷いてあった。


そこにテーブルと椅子があり、


食器棚と炊飯器、米やレトルト食品


が無造作に置かれており、


ここで、睦美は布団を敷いて


寝ているのだ。


これは普通ではないな...と


すぐに感じた。


『こんな所で寝たら、全然落ち着かないし


寒いよな?』と聞いたら、


『臭い親父と、一緒に寝るよりましだ』


と弘が答えた。


台所を通り左右に襖で仕切られた、


2人の部屋があった。


確かに親父の部屋も見たが、異様な匂いは


していた。


そして亡き母親の戒名が書いた短冊?


線香立てなどが、無造作に置かれていた。


兄の部屋は整然としており、簡素なテーブル


にはパソコンが置いてあった。


そこには睦美と言う名の人格の、


居場所は確かになかった。


話題は、ネットで知り合った人々から


寄付してもらったお金に対しての


対応についてだった。



『お前、ちゃんとお礼して

そのお金で買った物を報告して

感謝の言葉を

伝えるべきじゃないのか?』


『はあ?向こうが勝手に送って

来たんじゃないか、

めんどくせ~よ』


『お前.....』


『しらね~よ』


『アタル!弘に何とか言えよ』



『すまない、すこしは抑えているが、

時間が持たないから、

また好き勝手されてしまう』


総括のアタルは集中力が

持たないから、弘に途中から

切り替わり好き勝手される。


水咲や由麻から、お金の話はリーク

されてきた。


『ねえ、弘は知り合った女性から

数万円もらって、

お礼も言わないんだよ』


『何人もいるんだよ!どう思う?』


『お前たちには止められないのか?』


『みんなに圧力かけて、なかなか

でれないの!』


『弘は力をつけすぎたのか?』


『このままだと、全部弘に支配

されちゃうよ.......』


由麻と水咲が他人事の様に語った。



『みっちゃん、なんかわからないけど

みんなこわいよう.....』


美千代は『ほんと大変ね~』


他の人格は、理想論を語る......


俺は弘に言った。


『弘、せめてお礼や、

感謝のメールするんだよ❗️』


『なんでみんなで、俺を

責めるんだよ‼️、

みんなの為にお金もらって

何が悪いんだよ!』


『ひどいじゃないか!

よってたかって俺を責めて!』


『うわ~‼️』


涙を流してぐしゃぐしゃに泣いて

やがて、カッターで腕を切ろうとした。


『やめろ‼️』


『嫌だ切る!』


『止.....める....んだ‼️』


力ずくでカッターを抑えて、腕を


切るのをすんでで止めた。


それで、格闘する事1時間。


すっかりカッターを取り上げたは


いいが、今度は切らない事により


精神が崩壊する事を、思い知らされた。


そう、情緒不安定になり、精神が


もたなくなる....


取り乱し、落ち着かなくなり


身体が震えて、苦しみ出すのだ。


解決策は.....


そう、リストカットを容認するのだ。


それしかなかった......


『頼む切らせてくれ....』


『駄目だ』


『お願いだ、切らないと

頭が壊れそうなんだ...』


安定剤も、ない.....


弱い薬なら飲んでも効かない....


どんどんイライラがつのってくる....


苦しんでいる......


どうすれば.......


敗北感と共に、無意識にカッターを


渡していた。


腕に赤い筋が、出て来るのを茫然と

眺めていた。


そして弘は、落ち着いたのだった。


そう、リストカットすると落ち着くのだ。


それしか彼には方法がなかった。


だから、俺の中の答えは、


リストカットは止めない......だ。



本人が止める意思を持たない限り、


逆にストレスになるのだ。


ストレスを感じ、解決出来ないから


痛みを、伴いそれが気持ちを


落ち着かせる様だ...


だから、止めれば止めるほど、狂って


歯止めが効かなくなるのだ。


リストカットの容認.....それが正しいとは


思わない。


本人が止める意志がない限り、ストレスの


根本を解決しない限り、続くのだと思う。


問題は切る事ではなく、切るに至る


ストレスの要因なのだと......


それが解決できないから、


廃人になりそうな


薬を飲んで忘れるしかないのだと思う。




そして、他人の善意のお金を出させて


それを踏みにじる悪意に対し


これ以上責める事が、出来なかった。


責めれば、すかさずリストカットするの


だから.....


やがて、弘はネットから閉め出され、


炎上していった.....


由麻や水咲や、トークン、美千代は


そんな弘をいつも責めていた。


そして、ある日


何度も着信している事に気付き、


恐る恐る電話に出たら


なんと、四谷警察署から.........


電話が掛かってきたのだった。