starressのブログ

日々の、出来事を何となく綴りたいと思います。

家出娘とジョージAロメロのゾンビと

1979年ジョージAロメロのホラー映画

゛ゾンビ゛が公開された。



俺がやっと好きな女の子と、デートに

こぎつけ、一緒に見に行った映画だ。

しかし、それは失敗だった。

映画事態は当時、実に革命的な映画で

ゾンビ映画と言う新たなジャンルを

導いた名作だ。

音楽も、ゴブリンと言うイタリアの

グループで、ホラー映画とロックを

融合させた斬新なスタイルだった。




映画は血肉を食らうゾンビ対人間の

当時は目を覆う残酷なシーンの

連続で、映画を見終わった彼女は

映画館を出るなり、『サヨナラ~』

とひとこと言って帰ってしまった。


これで高一の自分の恋は、儚く

終わりを迎えた。

デートのプランと言う物もなく

待ち合わせしたものの、朝の田舎の

商店街は何処もシャッターが

閉まっていて行く所もない。

しかも俺はガチガチに緊張して、

恥ずかしくて離れて歩く始末。

服も子供服みたいなトレーナーを

着て、お洒落の欠片もなかった。

公園もなく、シャッターの閉まった

閑散とした、商店街を離れながら

ロボットみたいに進んでいた。

会話も余りなく、映画公開まで

時間も長く、気まずい雰囲気。

そしてグログロのゾンビ映画。

彼女は愛想をつかしてサッサと

立ち去り、全ては終わった。


彼女の名前は゛なつよ゛

色白で瞳がグレー、日本人離れした

魅力があった。

髪も薄い茶色で、目立つ存在だった。

気があって、クラスで良く話をしていた。

しかし、俺の頼りなさに愛想をつかし

あっさりと終わった。

すかさず、同じクラスの幸也が、

なつよに近づき、チンピラの様な

彼に彼女は一気に惹かれて行った。

幸也は万引き事件を起こし、退学した。

だから、いくら何でもなつよは

もう、幸也と交流はないであろう

と思われていた。

3ヶ月後、なつよが学校に来なくなった

家からは、捜索願いを出されて、

彼女は失踪したのだった。

幸也となつよは駆け落ちして

逃避行を繰り返していたらしい。

1ヶ月後に、幸也は窃盗と強盗で

逮捕され、なつよは執行猶予がついた

、更に彼女は妊娠していた。

この事件で、彼女は地元に居られなく

なり、中絶して存在は消えた.....


回りからは、


『お前が、なつよを

しっかり捕まえて居ないから、

こんな事になったんだ』


と、責められたりした。



1年後に、自宅に手紙が届いていた。

三重県からの差出人の名前は

なつよだった。

三重県の定時制高校に通って、

やり直しているとの事だった。

『地元で話せる相手は、貴方だけ

だから、手紙を書いたの』

『あたしの事、軽蔑してるよね...

お願い、話し相手になって』


頼まれたら断れないのが、性分なので


『色々大変だったな、今は元気に

やってるのか?』


『色んな県から人が来ているから

方言が炸裂しているよ』


『楽しくやってる様だな、良かった』


彼女を諦めていたのに、また心が

傾きかけていたら.....


『彼氏が出来ました』


だって❗


まったく、俺はいつもただのいい人

なんだよな。


『仲良くやってね~』


こうしてまた俺は振られた。


あれから10年後、


俺は結婚して、かなり美人の嫁さんと(笑)

子供二人と歩いていた。


赤ちゃんを抱いたなつよが、

突然目の前に居た。



お互い言葉を交わさずに、

アイコンタクト

で、結婚したんだ?

お子さんなんだ。


お前も赤ちゃんいたんだな、おめでとう。


ほんの一瞬のすれ違いだったが、

彼女はにっこり微笑んでいた。


まったく、お前には振り回されたよな

まあ、幸せそうで良かった。